借りやすい時を狙って資金調達する
資金調達においては、タイミングも大事な成功要因の一つと言えます。
融資を受けやすい時というのは一体いつなのでしょうか?
新創業時は借りやすい
実は新規開業者が日本政策金融公庫から創業融資を借りられるのは5人にひとり。つまり20%です。
「え?たった20%で高いって言えるの?」
と思うかもしれません。
しかし、5人に4人は日本政策金融公庫から融資を引き出す4つのポイントを知らないまま融資申請をしているから断られるだけの話で、押さえるべきポイントを押さえた上で融資申請をすれば、創業時は高確率で融資は成功します。
本来創業時というのはこれまでの業歴も実績も何もないので信用力も低いと考えがちですが、逆に言えば悪い業績も出ていないわけで、自己資金や、事業計画、面談次第だけで融資がおりるのです。
実際どうなるかもわからないけども、「将来的な見込み」で借りることができるのです。
もし既に業績が悪い状態でしたら、事業計画を見てもらう以前の問題で門前払いされてしまうことも珍しくないのです。(ただし、事情次第では、経営悪化状態の経営者向けにセーフティネット融資もありますので、業績が悪いというだけで諦める必要はありません。)
業績が良い時は借りやすい
これは当たり前の話ですね。
「銀行は雨の日に傘を取り上げ、晴れの日に傘を貸す」なんて揶揄されますが、業績好調な企業が資金使途のはっきりしている前向きな融資(設備投資や人材確保)の場合、当然融資は出やすいです。
調子が良い時にはわざわざ貸してもらう必要はないよと思われるかもしれませんが、金融機関が貸したがっている時には借りておくと良いでしょう。
金利も勉強してもらえる可能性が高いですし、借りれる時に借りておくことで金融機関との付き合いや実績作りができます。
雨の日でも傘を貸してもらえるような取引実績とビジネス関係の構築は、借りやすい時にやっておくしかありません。経営が未来永劫順調で資金調達の需要が出てこないとは限らないのですから。
金融機関が貸したい時期は借りやすい
例えば金融機関が貸出残高を増やしたい時期は比較的借りやすくなります。
金融機関も民間営利企業ですから、決算的にも好業績を残したいのは当然のことです。上から貸出残高を増やせとの大号令がかかれば、なんとか借りてもらおうと営業をかけてきます。
また、各金融機関の事情や決算時期に関わらず、社会情勢や金融事情によっても借りやすい時期はあります。
例えば2016年1月下旬に導入した「マイナス金利」。
マイナス金利になると、銀行の銀行と言われる日本銀行は、金融機関からお金を預かる際に金利手数料を取るということになります。
金融機関からすると、日銀にお金を預けているとマイナス金利でお金が減っていくわけですから、日銀に預けるくらいなら企業や個人に貸し付けた方が金利を取れるわけですから遥かにマシということになります。
結果、我々企業や一般国民からすると資金を調達しやすくなるのです。実際にマイナス金利導入直後から住宅ローン金利も下がり、企業への事業融資に関しては金融機関が壮絶な客取り合戦を始め、熾烈な競争を行なって営業をかけてきています。
ふんぞりかえっていた(イメージ)の銀行が一転、必死に金利を下げてでも「借りてください」という姿勢になったわけです。
民間の金融機関だけではなく、この競争の中に日本政策金融公庫のような政府系金融機関まで参入している状況も一部あるくらいですから、相当に借りやすい時期と言えるでしょう。
こういう情勢にもアンテナを立てておくことが大切です。