リース契約のメリットとデメリット、公的融資を受ける場合との違いとは?
リース契約とは、商品や設備、機器などをリース会社から一定期間有料で借りる方法を指します。
レンタル契約と仕組みが似ていますが、レンタルは短期契約が目的であるのに対し、リース契約は長期契約・使用が前提です。
リースにはファイナンス・リースとオペレーティング・リースの2種類があり、この内オペレーティング・リースは中途解約が可能で、レンタルに近い仕組みになっています。
リース契約は総費用が割高になる欠点があります。100万円の機器をキャッシュで購入すれば、出費は100万円で済みますが、リースは月々の料金に手数料が上乗せされており、総支払額は100万円を超えてしまいます。
また、ファイナンス・リースは中途解約が不可能で、契約期間満了までは毎月リース料を支払わなくてはいけません。リース中の機器などの所有権はリース会社にあるため、自身の資産とはならない点にも注意が必要です。
しかし、リース契約のメリットは、少ない資金で機器や設備を利用できる点です。
例えば100万円の機器が必要な時、購入する際は最初に100万円を用意しなくてはいけません。しかし、リースは毎月所定のリース料を支払えば機器を利用できるため、初期費用は大幅に抑えられるのです。
少ない資金で機器・設備を利用できることから、資金調達が容易になる点もメリットと言えるでしょう。契約期間満了後は再リース契約を結び、更に期間を延長して利用できます。
公的融資は、日本政策金融公庫などから資金を借り入れ、機器の購入や設備の増設など、様々な用途に利用できます。
一方のリースは、主に機器・設備を借りることが目的です。
資金を融資してもらうのではなく、リース契約した機器・設備の現物をリース会社から借り、それを利用することになります。例えばオフィスの複合機や観葉植物、営業用車両など、現物を借りたい時に向いています。
公的融資はキャッシュ、リースは現物という違いに注意しておきましょう。
ただし、リース契約と融資を併用することは可能です。
そもそもリースは融資とは別枠であり、金融機関などから融資を受ける際の審査にも影響を与えません。
融資を受けることが難しい場合や、すでに融資を受けているような場合、リースで設備や機器などを借りる手段もあります。
設備や機器を購入する上で、融資を受ける事例は少なくありませんが、リースで済ませる方法もありますので、現在の状況を考慮して判断すると良いでしょう。
実際の融資の現場では、例えば500万円の融資希望を出していたけども300万円しか下りなかった場合、足りない200万円分の現物をリース契約することでなんとか300万円のキャッシュで開業にこぎつけるケースもあります。(リース料は開業後のキャッシュフローから捻出して支払っていくということです。)